今日はちょっと住宅の設計のお話。

私は15年間、某住宅メーカーの設計として勤務していましたが、キャリアのうち半分は実際に意匠設計担当としてお客様に接し、要望をお聞きして間取りをつくり、打合せをして家を設計するというお仕事をしていました。
そして残りの半分は構造設計担当として梁や柱の計算して大工さん向けに図面を作るお仕事でした。

今は収納という家が完成した後の暮らし方の計画や、実際に新築を考えていらっしゃる方のプランのセカンドオピニオン的な仕事をしているわけですが、意匠設計と構造設計の両方を経験出来たことが、今の仕事にも繋がっているな~と。ほんと良い経験させてもらったなーと思っています。

家を考える時に、法規やその他住宅として必須な条件がある事は最低限必要な知識ですが、構造の仕事をしたことで「そこに壁が必要な意味」や「床組みや枠組みといった完成したら目には見えなくなる部分の大切さ」を知ることが出来たから。

収納の勉強をし始めてから、「なんと収納が軽んじられているのか」と図面を見て思ってしまう事も無いわけではありません。でも設計というのは多岐に渡る膨大な考えのもとでされる、とっても難しいことだなというのは自分の経験からも感じる事で、なので収納だけ良ければ万々歳というものでもないんですよね。

片づけが苦手だとつい「収納がたくさんある家」が良い家だと思ってしまいがちだし、収納を勉強すると「使いやすい収納があること」にプライオリティを置きがちになりますが、何事もバランスが大事!

それは家作りには収納よりも優先させることがあったりするからなんです。

一番良いのは、『設計者と意思疎通をして、施主としての思いを伝えてそれを形にしてもらうこと』なのですが、それもまたすごーく難しい事なので、これからもその部分のお手伝いが出来たら嬉しいなと思いつつ、ちょっとずつブログなどでも設計者目線の発信もしていきたいなと思っています。

例えば、こんな棚のはみだしが何ミリだとカッコ良いかなとか・・・

ここはカーテンボックス手前で寸止めするとイマイチかっこ良くなかったり

こんなテレビ台兼ベンチの足のスパンはどのくらいだと良いかなとか、ベンチの高さはいくつにしようとか・・・ミリ単位で悩みます

見た目と棚の支えとしての役割のバランスを考える

後から区切る部屋の照明の位置はどうしようかなとか・・・

あえて中心からずらしてみる

これらは設計者のアタマの中のほんの一部♪

当然もっと大きな視点で
・この土地や環境に対してどのように開いてどのように閉じている空間を作るか(例えば交通量が多いとあまり外部に対して開きたくないなとか)
・建築法規に適合しているかどうか(隣地からの離れや採光、高さ、換気量など膨大な規定があります)
・方角に対して明るさの確保や通気などどうかな

等といった事はもう絶対考えなきゃいけない事ですし、写真に上げたような細かな視点まで色々なことを同時進行で考えつつ、施主の要望を盛り込んだ(予算も踏まえて)間取りを作っていくわけです^^

よく考えるとすごい頭使っていたわーーー。どうりで肩凝っていたはず💦

という事で、住宅設計をされているみなさんに心からの敬意を表しつつ、収納のお困りごとがあればぜひご相談いただけたらなと思います^^

また、設計担当者にうまく思いが伝えられずに悩んでいるお客様がいましたら、一度ご相談くださいませ。
上手く言葉にできるようなアドバイスや、そもそものご要望を端的にまとめるお手伝いをさせていただけたらなーと♪

今日は建築士としての呟きでしたっ!